鉄は人体に3~4g含まれていますが、約60%程度は血液中の赤血球(ヘモグロビン)、約7%程度は筋肉細胞(ミオグロビン:ヘモグロビンに似たたんぱく質です。)に存在しています。ヘモグロビンの形成、酵素などによるエネルギー生成、DNA合成で重要な役割を果たしています。
鉄は赤血球のヘモグロビンの成分として、肺から吸収した酵素を各細胞まで運ぶ、筋肉中のエネルギー代謝に酸素を供給、細胞内のエネルギー生成にかかわっています。鉄には2種類あり、植物性食品に含まれている非ヘム鉄と動物性食品に含まれるヘム鉄とがあり、ヘム鉄の方が吸収性が良いと言われている。
・所要量
0~1歳まで : 6mg(男性、女性)
1~2歳まで : 7mg(男性、女性)
3~5歳まで : 8mg(男性、女性)
6~8歳まで : 9mg(男性、女性)
9~11歳まで : 10mg(男性、女性)※11歳女子は12mg
12~17歳まで : 12mg(男性、女性)
18~69歳まで : 10mg(男性)/12mg(女性)※閉経後は10mg
70歳~ : 10mg(男性、女性)
妊婦 : 8mg(年齢に合わせ、余分に摂取)
授乳婦 : 8mg(年齢に合わせ、余分に摂取)※分娩後6か月間
・許容上限摂取量(男性、女性)
0~6か月まで : 10mg
6か月~1歳まで : 15mg
1~2歳まで : 20mg
3~5歳まで : 25mg
6~8歳まで : 30mg
9~14歳まで : 35mg
15歳~ : 40mg
妊婦:40mg
授乳婦:40mg
・鉄欠乏性貧血の予防、改善
・鉄欠乏症の所に見られる高次機能障害の改善
・腎不全患者の造血因子製剤の効果促進
・栄養機能食品の場合、表示してもよい内容
鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。
・栄養機能食品の場合、表示しなければならない内容
1.多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
2.1日の摂取目安量を守ってください。
鉄は通常の食材に由来している成分で、特に問題となる健康被害や副作用はないといわれています。安全性は高いですが、高用量を摂取する際は胃腸障害に注意しましょう。医薬品との併用については一部ではありますが、医薬品との相互的な作用を示すデータがあるようですので、主治医などに相談してから摂るのが良いと思います。
食品に含まれるビタミンやミネラル、タンニン酸などが吸収性に影響を与える可能性があり、鉄不足による症状の場合、吸収性に影響を与える成分を考慮して摂取するのが好ましい。また、月経時には目安量を摂取しておくことで鉄欠乏性貧血の予防にもつながります。
欠乏すると胃腸障害や神経過敏、鉄欠乏性貧血、食欲不振、下痢や便秘などの症状が起こりやすくなります。アスピリンを服用している人は特に欠乏に注意してください。
食べもの:牛・豚レバー、スッポンの血、鶏卵、鶏肉、カツオ、イワシ、煮干しなど
サプリメント:鉄はマルチミネラルなどと一緒になっている場合が多い。
※サプリメントの場合にはマルチミネラルでの含有が多く、併用する際には注意しましょう。
・サプリメント辞典 著者:蒲原聖可(東京医科大学客員教授・医学博士)